迷走を続ける志津刃物に光が差し込んだのは1988年。
セラミック製の部品加工で悩んだ大阪の大手自転車部品・釣具メーカS社の部長さん。
調べもので訪れた東京の図書館で見つけたのはCERATECHでセラミック加工のノウハウを積んだ「志津刃物製作所」の名前。しかも社長の名前には見覚えがある。
偶然にもS社部長と弊社2代目社長は大学の同級生でした。
最初はたった一つのセラミック部品の加工を受注したことから始まりました。
しかし、包丁で培った「ステンレス材を高精度に加工する技術」や「高級感を生む光沢研磨」、「軽量化に必須なアルミニウムの加工技術」、これまで培った技術が大いに発揮され、事業は順調に拡大。3年後の1991年には新工場が竣工しました。
1995年には本社にも現在の社屋が建てられ、同時に自転車部品、釣具部品を加工する部門を別会社「有限会社シズテック」として設立。
(2007年の株式会社に改組。今も事業拡大しており昨年には新工場が操業。本年も工場を増築中。)
このとき、志津刃物では、3代目として現社長が就任しました。
偶然が生んだ小さなチャンスをしっかりと掴み取ったのは、それまでの迷走を一つ一つしっかりと自社の糧に変えていった「ものづくりへのこだわり」があってこそだと思います。